蝶鑑賞

台湾は「蝶王国」の異名を持っています。

約400種類の蝶が生息しており、うち50種は台湾の固有種です。日本は台湾の10倍ほどの面積がありますが蝶の種類は250種に満たない事からも台湾にいかに蝶が多く生息しているかおわかり頂けるかと思います。

小さな台湾の中になぜこのように多くの種類の蝶がいるかは北亜熱帯気候、南熱帯気候また台湾を分断するようによこたわる中央の山地は亜寒帯気候になっているという特殊な地形によります。台湾では山奥深く入らなくても、いたるところで蝶が優雅に宙を舞う様子を観察することが出来ます。これは台湾の気候がもたらした生命の奇跡と呼べるでしょう。台湾は日本と同様島国で、環境が極めて外部から閉ざされていることから比較的容易に台湾固有種が形成されます。種類もその数も多いことから台湾のあちこちに「蝶の谷」があり、ほぼ1つの県に1つはこのような蝶の観測スポットが存在しています。
 

 
この記事では中でも特に有名な蝶の観察スポットを紹介します。
 
新竹

清華大學 「蝴蝶園」

公式サイト(中国語):http://cl-butterfly.vm.nthu.edu.tw/nthu/

新竹にある清華大学の蝶園は蝶の人工繁殖をしており、その一環として屋外生態園を設けました。新竹地域の急速な発展により蝶の数は激減しましたが、この精華大学の蝶園が蝶たちにとっての安息の地となり、種の絶滅を食い止めてきました。清華蝴蝶園の中の蝶の種類は大変多く、台湾の固有種である黃裳鳳蝶、豹紋蝶、大綠弄蝶、銀紋淡黃蝶、黃蛺蝶、台灣鳳蝶、琉璃蛺蝶など、1年を通して100種類以上の異なる種類の蝶をみることが出来ます。
 

 

宜蘭

太平山

宜蘭県の西南方、海抜2000メートルほどの場所に太平山国家森林公園は位置しています。森林だけではなく、地熱、渓流、滝、湖等様々な景観を有している公園としられていますが、実は台湾の中でも屈指の昆虫たちの住処でもあります。公園内の美しい原生林の中には寬尾鳳蝶、青帶鳳蝶、黃蛺蝶、紅邊黃小灰蝶、烏鴉鳳蝶、台灣紋白蝶…などの蝶類が多く生息し、訪れる人に癒しを与えています。 
 

 
高雄

高雄縣茂林地區

 公式サイト(日本語):http://www.maolin-nsa.gov.tw/user/main.aspx?Lang=3

ここは「ルリマダラの谷」の異名をもっています。ルリマダラは東北の季節風によって湿った冷たい風が吹く際に、南台湾のいくつかの谷の中で越冬をします。台湾各地の4種類のルリマダラが一挙に集結し越冬をするこの現象は地球上で北アメリカ地域と台湾だけで観測されている大変貴重なものです。「ルリマダラの谷」は台湾のあちこちに存在しています。中でも古来より自然と共存し暮らしてきた原住民のパイワン族、ルカイ族が住む高雄、屏東及び台東県の低海抜の区域に知られているだけでも30個ほどの紫蝶の谷があります。その中で特に谷が密集しているのが高雄県の茂林地區で少なくとも7個のルリマダラの谷が存在しています。
 
 
荷氏黃蝶(清華大學蝶園内にて撮影)
青帶鳳蝶(清華大學蝶園内にて撮影)
台灣雙尾燕蝶
麝香鳳蝶
端紫斑蝶
上記写真提供:K.H.Chen
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